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『その口紅が憎い』 1965年5月16日公開 松竹 (撮影時41歳)

東映出演中にフリーになった2年後、古巣の松竹で「日本脱出」以来の出演。

今度は松竹で嬉しい初主演!

全国の内田良平ファンの皆さーん、良平さんづくしですよー!

 

体操してるのか?といいたくなるような「日本脱出」の桑野みゆきとの絡みは、今度はばっちり素敵なラヴシーン★

けれど、せっかくの主演なのに、観るのは2回目なのに、すっかり内容を忘れていた。

まあ、印象に残っていない、要するに名作とは言えないということで。

最後に刑事の山形勲の独白で、良平さんの悲しい過去が判明するので、忘れていて丁度良かったんですけどね。

 

それでも唯一覚えていたのは音楽。

良平さんが自室で一人でよく聴く曲はメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲。

相手役の謎の女、桑野みゆきが頻繁に聴く曲は、佐良直美の「いいじゃないの幸せならば」(いずみたく作曲 1969年)と間違えるほど似ている歌謡曲っぽいメロディ。

音楽は宮川泰。彼のフィルモグラフィを見ると歌謡映画の音楽は多いものの、この時期こんなシリアスな映画はやってないみたい。

メンデルスゾーンと「いいじゃないの幸せならば」(いずみたく作曲ですが)。

二人の心象風景を象徴する曲として使ってるんでしょうが、なんか曲の格調の釣り合いが取れない感じで違和感ありあり。

こんなに頻繁に流すなら、も少し歌謡曲調でないメロディなら良かったのに。

良平さんがメンデルスゾーンなのは、過去を考えたら合点がいくし、あの哀調のメロディがぴったりはまるのですが、桑野みゆきはなー。

ラストシーンの良平さんが一人バーで彼女を待つ時に選んでかけた曲は「いいじゃないの幸せならば」。

桑野みゆきに心を持っていかれたということなんでしょうけど、なんだかな。