良平さんのお顔を意識したのは、小林旭の『南國土佐を後にして』です。
初めてお名前を知ったのは岡田英次のファンだった(あ、今でもです)からなのでした。
『おかあさん』『ここに泉あり』『また逢う日まで』『狂った果実(根岸吉太郎監督)』など、名画にたくさん出演しています。
特に『ヒロシマ・モナムール(邦題:二十四時間の情事)』は最高に素敵です!
エマニュエル・リヴァとのシャワーシーンではあまりの色気に鼻血(^^;が出そうになるほど。
出身は良平さんと同じ千葉県銚子市。
良平さんは岡田英次のつてをたどって役者になったそうです。
良平さんの本によると、実年齢が4歳しか違わないこともあり、兄弟のように仲良くしていたらしいですね。
『内田良平のやさぐれ交遊録』には意外な岡田英次の素顔が紹介されていますので、機会があったらお読みください。
良平さんならずとも、えっ、あの岡田英次が?!
そんなお下品なことを?ええーっとなります。
岡田英次と同じ劇団青俳にいた蜷川幸雄の書いたものや、木村功の奥さんの梢さんが書いた『功、大好き』では、もしかしたら四角四面の冷たい人なのかもしれない、ファンとしては悲しいなと思っていたこともあったのですが、同じく親しくしていた、杉良太郎の『媚びない力』2014年 NHK出版新書で印象が変わりました。
良平さんが杉良太郎の舞台に出演中に亡くなったときのことです。
岡田英次が『一人じゃ、可哀想だ』『おまえ冷たいだろう、可哀想に、俺が一緒に寝てやる』と言って良平さんの亡骸を抱きしめて横になったとあり、杉良太郎は『なんと人間くさい、温かい人だろう』と書いています。
家族でもないのに亡骸を抱きしめるとはなかなかできないことで、実は愛情深き人だったんだ、と分って嬉しくなりました。
そんなにまで愛してくれた人がいた良平さんは倖せでした。